アマガミ 響先輩SS あとがき


 拙作をご覧いただきありがとうございました。

 これを読んでいる方にはもう言うまでもないことですが、アマガミ、と言うPS2の
恋愛シミュレーションゲームの中にサブキャラクターとして出てくるのが、
塚原ひびきです。

 彼女は時にはメインヒロインである森島はるかの親友として彼女のフォローをし、
時にはメインヒロインである七咲逢の所属する水泳部の部長として、七咲を見守る
役割を果たしている重要なバイプレーヤーです。

 その塚原ひびきがあまりにも良い味を出していて、バイプレーヤーだけではもったい
ない、彼女のシナリオを作るとしたら、自分ならどうするかと考えたのがきっかけで
このシリーズは生まれました。

 当初20話くらいの予定でしたが、途中からキャラがある程度勝手に動き出した
こともあり、トータル30話になってしまいました。
 でも、読み返してみると当初よりも話の流れが自然になった気がします。

 そのかわり、結果としてアマガミ本編のカレンダーにうまく乗らない部分が出てきて
しまったり、本来あるべき誕生日イベントがなかったり、とほころびが出ています。

 で、各話についてざっとコメントをすると……


   ・頼れる先輩
   ・あなたのお陰
   ・パーフェクトな存在

 お話の導入部分。
 端から見たひびき像と本人の思っていることの対比です。
 よくありがちな、周囲は「すごいねー」と言っているのに対して
 本人は「たいしたことないよ」と言う話ですね。
 この時点では、橘さんにとってひびきはまだ他の2人の着け添えかも
 しれません。


   ・子供はちゃんとわかってる

 強面=怖がられる、ではないと言うことをひびきが自覚するお話。
 橘さんがひびきと親しくなり始めるきっかけだったのかもしれません。


   ・新たな一面
   ・よし、今日もがんばるぞ
   ・お気に入りの手袋

 ひびきのパーフェクトでない(と本人が思っている)部分が出てくる
 お話です。
 そのパーフェクトでない部分に橘さんが絡み始めます。


   ・名探偵はるか?
   ・お節介はるか
   ・謝るはるか
   ・迫るはるか

 橘さんと親しくなって変化を見せ始めるひびき、そのひびきの変化を
 はるかが見抜き、お節介を焼き始めます。
 はるかははるかなりに、親友のことを気にかけているのです。
 かけかたに問題がありますが……
 迫るはるか、は実体験上耳の痛い話だったりします。


   ・屋上に避難
   ・ファン第一号
   ・理由と誤解

 「強面コンプレックス」(?)のひびきに対して橘さんがアプローチを
 始めます。ここでのファンと言う位置づけは当初から考えていたことです。
 七咲のスキ諦めを決定づけるエピソードでもあります。


   ・モノローグ 二つの想い
   ・仲のいい兄として……

 アマガミ本編で言うならば、ランクアップ時のモノローグ。
 七咲には申し訳ないことをしたなあ……と思っています。


   ・木の葉を隠すなら
   ・遊園地に行こう!

 お気に入りの手袋からつながる話です。
 ひびきの可愛い部分と包み込む母親的なやさしい部分、橘さんの色々な意味で
 男(の子)らしい部分と弱い部分がでてきます。


   ・季節外れな行き先
   ・レジャーランドへ行こう

 これもデートイベントです。
 ラストの、橘さんにもたれかかって眠るひびき、が書きたくて書いたお話と言っても
 差し支えないかもしれません。
 遊園地との違いは、二人の距離、でしょうか。


   ・守りたい笑顔

 橘さんの動機付けとなるお話……のつもり。
 よほど仲良くないと、男女でツーショットのプリクラって撮らないと思うんですよね。
 その辺まで親密になりましたよ(少なくともひびきは)と言うところかな。


   ・ティーチャーひびき
   ・相談に乗ってください!
   ・ダッ君をゲットよ!

 この後のひびきの悩みの前段の話です。
 今まで通りのやりとりがひびきの不安を煽っていきます。


   ・彼女の悩み
   ・彼女の想い、僕の想い

 お話の佳境です。
 膨らんでいく不安につぶれそうになるひびき。
 でも、彼女は周囲のことを考えて一人で抱え込もうとします。
 嫁さんから「この状況、下手に転がったら即BADENDじゃん」と言われました。
 シリーズ前半の「ファン」と言うのがここにつながります。
 「特典(おまけ)で僕がついてくる」と言うくだりは、槇原敬之さんの
 ”Fan Club Song”が元ネタです。


   ・クリスマスの予定
   ・モノローグ 創設祭前夜
   ・創設祭!
   ・エピローグ そして時は流れて

 クリスマスデートに向けてお話が動いていきます。
 他のキャラのスキルートとナカヨシルートを見ていると、スキはヒロイン→橘さん、
 ナカヨシはヒロイン←橘さんと言うような印象を受けるのですが、
 ひびきと橘さんはお互いが支え合うような雰囲気にしたくて、こんなお話に
 なりました。盛り込みすぎ? 冗長? そうかもしれないです。
 エピローグは完全に作者のエゴです。
 やはりこのシリーズの中ではこの4人は4人でワンセットなんだと思います。
 だから、2人だけの話にはできませんでした。
 特に話の中で明言はしていませんが、はるかも七咲もそれぞれなりに幸せに
 なっている……と思っています。


Special Thanks To
 嫁 :「彼女の悩み」〜「迫るはるか」についてアドバイス


長々のおつきあいありがとうございました。


                         20090707 ちひろ 拝


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