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前口上〜DDの自己紹介
 

 よ。

 俺はDD。機械兵をやらせてもらってる。
 伊達なスーツと帽子の似合う25歳のナイスガイさ(きらんっ☆ ←ここで似合わない歯に輝く星)

 ……待ててめぇら、手に持った石はなんだ。

 こほん。改めて事故紹介を。
 あながち間違ってない辺りが我ながら怖い。

 俺は重機乗りのDD。相棒の重機の名前はブロードソードマイン。制御中枢はクレイモアっつって

『May I help you, my commander?』

 こんな感じに話す。ガチガチなカタブツの計算屋かと思えば「確率なんてクソくらえでしょう?」ときたりもする変わり者。変わり者同士気が合うのかもな。
 こいつ抜きじゃ戦えないから、俺のかけがえのない相棒だ。

 趣味は酒と女。……なんだおっさん臭い趣味ってツッコミは。
 いいオンナ見たらナンパは義務だろ。艶やかな花の彩りなしで過ごす寂しい人生はお断り、ってとこさ。
 酒は飲むのも好きだし趣味でカクテルも作ったりする。なかなか好評を博する……邪推するなよ、酔わせる酒は自分で作るもんじゃない。誰かに作ってもらって、自分はのんびり話を楽しむ。そうじゃないと酒とレディに失礼、だろ?
 

 ここらでパーティメンバーの紹介と洒落こむか。
 

 まずパーティの鉄砲玉で俺の引きたて役のカズ・ランフォード−通称ダンナ。日本刀を担いだ『いかついおっさん』だ。
 通称から分かる通り既婚者で、新妻とらぶらぶあつあつな夜を過ごしてるらしい。
 見て分かる通り俺よりモテないしイイ男でもないが俺ほどじゃないにしてもめっぽう腕は立つ。
 ……俺が背中預けられるヤツぁそうそういないってこった。

 こんな会話があった事もついでに言っとくか。弥都波ってのはパーティメンバーでカズの嫁はんだ。

弥都波「ねえねえ、カズとDDさんがケンカしたら、どっちが強いん?」
カズ 「DDに決まってるだろ。重機に俺がかなうもんか」
弥都波「DDさんは?」
DD 「サシのタイマンだろ、本業戦士に勝てるかってーの」
弥都波「重機つこたらどうや」
DD 「そいつぁケンカとも、ましてやサシのタイマンとは言わんぞ」
 

 続いては前出の弥都波・ランフォード。通称嫁はん。元盗賊で現在は鍛冶屋。関西弁と鍛冶屋に似合わん魔法を使いこなす爆裂お嬢だが、鍛冶屋の腕は確かで依頼もひっきりなしな感じだな。
 この娘、目の前に俺という色男がありながら他の男にうつつを抜かし挙げ句の果てに結婚するという暴挙にでておる。……ちっ。
 駄目なダンナをうまく支えてる、典型的ないい嫁はんだ。泣くようなことがあったらダンナの頬を張り飛ばす腕くらいなら遠慮なく貸すぞ。
 

 次に出るのはパーティの主砲、セレーネ。魔法使いだ。
 とにかくしっかりした娘でパーティの主砲兼作戦参謀といったとこ。情報分析や知識は完全におまかせだな。
 ……俺みたいな猪突猛進体力馬鹿に分析させてもロクな事にならんのは保証付。
 性格は優しくてまめ。細かいところまで気は利くがそれでいてお茶目なとこもあるから気が抜けない。
 ……お茶目がいいって?
 飲み干したはずのグラスがこっそり満たされてたりとかしょっちゅうだぞ?
 

 最後の紹介はしーな。法衣に身を包んだ神官だ。
 毎日毎日忙しそうに駆け回ってる。コケるなよ〜
 性格を一言で言えば「天然」に尽きる。こいつに関しては俺も対応に困ってる。
 捕らえどころがなく始終ふわふわとした顔でそこらにたたずんでいて、ちゃんと冗談もかませばきっちりボケてもくれる。

 まぁ俺がどれだけ対応に困ってるかは次からの文章を読んでくれればいい、として……
 

 ……ちょ、ちょっと待て、お前ら顔に浮かんだそのホンモノの殺気はなんだ!?
 「この紹介はひどくないか? オレはともかく弥都波まで……」
 「なんでうちがDDさんに結婚をどうこう言われなあかんねんっ」
 「ちょっとあの紹介はひどすぎますぅ……」
 「誰がふわふわした顔でボケてるんですかー?」
 ま、まてっ、暴力反対! 暴力反対いぃぃぃぃぃぃぃぃ……

 (足音。完全武装の四人組の足音。遠ざかっていきフェードアウト)
 

ナレーター:ふぅ……冗談が効き過ぎてますし自業自得ですね。
      良い子のみんなは真似しちゃ駄目ですよ?
      ここまでのことはなかったことにして、番外編をお楽しみください。
 


「気付け薬は御入用?」へつづく     リストに戻る。