あの時、彼の腹にこぶしを叩き込んだのは、どうしてだろう? 人気のないスタジオで繰り広げられる2人の、 心と頬と手のひらの痛みを教えたかったからだろうか? それとも単に、妹を奪っていく男に対する嫉妬、だったんだろうか? なんにせよ、ほめてやるよ。青年。 あの渾身のパンチを受けて、その場にうずくまらなかった奴は、そう多くない。 いや、いつもの彼なら倒れていたかな? 妹のことが、彼女のことが、彼を奮い立たせたんだとしたら、 少しは見直さなくてはいけないな。 どのみち彼を待っているのはイバラの道か…… もし逃げようものなら。 いや、そんなことはないか。 ”妹が選んだ男”なんだからな。 もう1発殴っておけばよかったかな? ……おれもまだ青いな。 -------------------------------------------------------- 修羅場の前の英二さんパンチのお話です。 殴ったあとしばらくしてからのつぶやきとでも思って下さい。 それにしても英二さんっていいキャラクターですね〜 でわでわ。