モノローグ
 
 
 
 あの時、彼の腹にこぶしを叩き込んだのは、どうしてだろう?
 人気のないスタジオで繰り広げられる2人の、
心と頬と手のひらの痛みを教えたかったからだろうか?
 それとも単に、妹を奪っていく男に対する嫉妬、だったんだろうか?

 なんにせよ、ほめてやるよ。青年。
 あの渾身のパンチを受けて、その場にうずくまらなかった奴は、そう多くない。
 いや、いつもの彼なら倒れていたかな?
 妹のことが、彼女のことが、彼を奮い立たせたんだとしたら、
少しは見直さなくてはいけないな。

 どのみち彼を待っているのはイバラの道か……
 もし逃げようものなら。
 いや、そんなことはないか。
 ”妹が選んだ男”なんだからな。

 もう1発殴っておけばよかったかな?

 ……おれもまだ青いな。

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修羅場の前の英二さんパンチのお話です。
殴ったあとしばらくしてからのつぶやきとでも思って下さい。
それにしても英二さんっていいキャラクターですね〜
でわでわ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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