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Someday Sometime in Sometown. 〜いつかどこかの町で〜2
 
『 おつかいにいこう! 』





「ねえねえ。悪いんだけど、明日お使い頼まれてもらえないかな?」

 オリオン座が南の空にきらめく、寒い寒い冬の夜。晩ご飯も終わって、みんなでお茶を飲んでいる時のことです。お母さんがテーブルの反対側に座っている子供達に、お使いをして欲しいと頼みました。

「おつかい? うんいいよー どこになにしに行けばいいの?」

 お母さんのお願いをにっこり笑って引き受けたのは、見た感じ小学校高学年くらいの笑顔の可愛い女の子。名前をゆきちゃんと言います。ポニーテールが似合う、お父さんとお母さんの大事な大事な一人娘です。

「お父さんがお仕事で今日お泊まりなのは話したよね?」
「うん。えっと、がっかいの直前で忙しいんだよね」
「そうそう。それでね、明日も泊まりになりそうだから、お父さんのところに着替えを持って行ってもらえないかな?」
「お父さんのところに?」
「うん。お昼ころに届けて欲しいんだけど、セリオと一緒なら大丈夫よね?」
「うん、大丈夫だよ。まかせて」

 胸をぐーでトンと叩いてみせるゆきちゃん。お母さん、そんなゆきちゃんの仕草をにこにこしながら見ています。

「……と言うわけで、悪いけどセリオも一緒に行ってもらえる?」
「――はい。もちろん」

 お母さんは視線を少しずらして、ゆきちゃんの横に座っている高校生くらいの女の子に声をかけました。赤い髪と耳のセンサーが特徴的な、来栖川電工のメイドロボット。名前をセリオと言います。ゆきちゃんが生まれたときにこの家にやってきて、早いものでもうかれこれ11年。もはやこの家には欠かせない家族の一員です。
 ところでここの家のセリオは、ほかの家のメイドロボットとひと味違います。それは、仕草やしゃべり方やたち振る舞い。よその家が新しいメイドロボットに買い換えていく中、ゆきちゃんの家はずっと同じセリオを使い続けているんです。
 セリオと言うメイドロボットは学習機能を持っていて、長く使えば使うほどそのお家に合った形で賢くなります。セリオが発売されてもう10年以上。今でも動いているセリオ達はどれも皆、それぞれの家庭に合った『個性』と言うべきものを備えるまでになっています。
 でも、ゆきちゃんの家が新しいメイドロボットを買わないでセリオを使い続けている理由は『セリオが賢いから』だけではありません。

「ねえねえ、セリオお姉ちゃん。セリオお姉ちゃん。今日学校でね……」
「――ふふふ。それはよかったですね」
「でねでね。わたし先生にほめてもらったのー」

 うれしそうに、にっこり笑いながらセリオに学校の話をするゆきちゃん。ゆきちゃんはセリオが大好きです。学校から帰ってくると、まず最初にセリオにぽふっと抱きつくくらい。ゆきちゃんにとってセリオは、お父さんとお母さんと同じくらい欠かすことのできない『お姉ちゃん』なのです。
 それはお父さんやお母さんも一緒。ゆきちゃんと同様お父さんやお母さんにとっても、セリオは欠かすことのできない『娘』なのです。
 これが、ゆきちゃんの家がメイドロボットを買い換えない一番の理由。だから、ほかのメイドロボットに、なんて考えもしないのでしょう。


 ゆきちゃんの学校での話が一段落したところで、思い出したようにお母さんが言いました。

「あ、そうそう、それでお使いなんだけどね。お父さんのところまでの行き方はゆきちゃんが考えてね」
「えー わたしが考えるのー?」

 ちょっと目を丸くして驚き顔のゆきちゃん。

「うん。ゆきちゃん来年は6年生だし、そのくらいはできないとね」

 今までセリオと二人で出かける時はセリオ任せで良かったのに、今回はそうもいかないようです

「でもでもー セリオお姉ちゃんに考えてもらったほうが確実だし早いと思うんだけどー ね? セリオお姉ちゃん」

 必死の抵抗。でも……

「――確かに私が検索した方がよろしいかと思いますが…… 奥様、なにか考えがおありですか?」
「ふふふ。察しがいいわね。セリオ。ちょうどいいからゆきちゃんに調べ方を覚えてもらおうと思ったの。いつも必ずセリオが居る訳じゃないし」
「――承知しました。では、私は見ているだけにします」
「うん。どうにもならなくなるまでは放っておいていいから」

 どうやらそうは問屋が卸さないようです。

「ぶうぶう、そんなのひどいよー」
「ひどくないです。誰だっけかなー? わたしはもうお姉さんなんだから、そう言う風に扱えって言ったのは」
「あははー だ、だれだっけー?」
「――ゆきちゃん、ですね」

 セリオ、即答。この辺はお母さんの影響みたいです。

「うー セリオお姉ちゃんのいじわるー」
「お姉さんともなると、セリオみたく自分一人でお使いに行けるわよねえ?」
「むむむ」
「一人で行って来いって言ってるわけじゃないでしょ? セリオと一緒なんだから行き方くらいはゆきちゃんが考えても罰は当たらないわよね」

 お母さんがにこっと笑いながら畳みかけます。

「むーー」
「……と言うわけだから、よろしくね。セリオ」
「――はい。わかりました。ゆきちゃん、がんばってくださいね」
「もう、わかったよー 自分で考えるから、ヒントよろしくね。セリオお姉ちゃん」
「それじゃいつもと変わらないでしょ」
「あ、ばれたか」

 あはははは、と笑うお母さんとゆきちゃん。少し微笑んだように見えるセリオ。今日はお父さん抜きだけど、いつもと同じような団らん風景です。


 しばらくして、お母さんは台所に洗い物をしにいきました。ゆきちゃんはセリオと行き方を考えています。

「ねえねえセリオお姉ちゃん。お父さんの学校の近くの駅ってどこだっけ?」
「――ここになります」

 セリオはどこから取りだしたのか時刻表を広げ、お父さんの勤めている大学がある駅を指さしました。路線図の載っている時刻表を出してくるあたりがセリオの気遣いです。

「えっとー お家の近くの駅がここだから……」

 ゆきちゃんは自分の家の最寄り駅を指さしてから、お父さんの学校の最寄り駅に向かって路線図をたどり始めました。

「こう行って、こう行って…… あれ? こっちからも行けるや」

 ゆきちゃんの家からお父さんの学校までの間には、何通りかの行き方があるようです。ゆきちゃん、困った顔をしています。

「むむむ……」

 海沿いに走る電車を使うとまっすぐ行けそうです。でも、乗り換えが2回。それにこの電車はのんびり走ることで有名だから、時間がかかりそうです。いつも使う大きな街に行く電車だと、乗り換えは1回。でも、大きく迂回することになるから、やっぱり時間がかかりそうです。
 ほかにもいくつか行き方を見つけましたが、乗り換えが多かったり乗ったことのない電車だったりで、これという決め手がありません。

「だめだー わかんないー」

 しばらく悩んでから、ゆきちゃんはいすの背もたれに寄りかかり大きくバンザイするようにのびをしました。『降参』のポーズです。

 「どうやって行ったら一番いいのかなぁ…… ねえ、セリオお姉ちゃん、こういう時ってどう選べばいいの?」

 そして、そのポーズのまま横にいるセリオに助けを求めました。

「――そうですね、こう言うときは優先したい事柄順に並べて考えるといいと思います」

 セリオはメモを取りだし、先ほどゆきちゃんが指でたどった路線を書き出しました。 ゆきちゃんが思いついたのは3つのルート。それにセリオは2つルートを付け足しました。

「優先したい事柄?」
「――はい。時間や運賃などがそうです。今回は奥様からの指定がないですから、時間順に並べてみましょう」
「あ、セリオお姉ちゃん、ちょっと待って。運賃順で並べようよ」
「――運賃順にしたい理由がなにかあるのですか?」
「えへへー さっきお母さんが、電車賃が余ったらお駄賃にしてもいいって言ってたんだー」
「――なるほど、そう言うことでしたら運賃順で並べてみましょう」

 セリオはそう言うと、テーブルにノートパソコンを持ってきて広げました。

「パソコンでわかるの?」

 ゆきちゃん、不思議そうな顔で見ています。

「――はい。インターネットを使って路線の経路検索ができます」
「でもでも、セリオお姉ちゃんがノートパソコンを広げてるところ見たことないよ」
「――私が検索する場合はサテライトサービスを使うので、パソコンは必要ありません。今回はゆきちゃんが検索をするわけですから、パソコンを使った検索を選びました」
「ふーん。わたし、時刻表を使わなくちゃいけないのかと思ったよー よかったー こんな数字ばっかの本見てたら、頭痛くなっちゃうよ」
「――時刻表を使っても調べることができますが、慣れないと効率が悪いのです」
「ふむふむ」

 セリオはゆきちゃんに説明しながらノートパソコンを立ち上げ、ネット上の経路検索サイトにアクセスしました。

「――ここで経路の検索ができます。出発駅と行き先を入力すると、適切な経路を検索してくれます」
「えーっと、こことここだね」

 出発駅と到着駅を入力するゆきちゃん。

「――はい。ではこのボタンをクリックして下さい」
「ポチッとなっと」

 言われたとおり画面上のボタンをクリックすると……

「わ、なんだかいっぱい出てきたー」

 画面には運賃順におおよそ10個の経路が表示されました。メモと見比べると、その中には路線図でゆきちゃんが見つけた経路も含まれています。

「――一番運賃の安いのがこの経路です。数分の違いですが、時間的にも最も短い経路だそうです。もっとも、途中徒歩が入りますから最短時間で行けると言う保証はありません」
「へー あれ? すごく遠回りしてるのに、この行き方とこの行き方、あんまり時間変わらないね」
「――おそらく乗り換えの回数と乗り換え時間が効いているせいです」
「ふーん。そっかぁ、乗り換え時間なんて考えてもみなかったよー」

 にへへ、と笑うゆきちゃん。お日様のような笑顔です。

「そう言えばさ、この行き方が出てきてないけどなんで?」

 ゆきちゃんはセリオのメモにある、自分が一番最初に見つけた海沿いの電車を使うルートを指さしました。

「――それはですね」

 そう言うと、セリオは検索条件を変えてもう一度経路検索をしました。今度はゆきちゃんの言ったルートも表示され
ています。

「――この経路は時間がかかりすぎるので、表示されなかったのです」
「ありゃ、そうなんだー 検索って賢いんだねー」

 いちいち驚くゆきちゃん。そう言えばこう言うのはいつもセリオ任せで、自分でやったことはなかったですね。お母さんが自分で調べるように言うわけが、わかります。

「――ということなので、時間的にも運賃的にもこの経路が一番いいことになります」
「うん、そうだねー そしたらその行き方にけってーい!」
「――決定、と言いたいところなのですが、一つ問題があります」
「えー? 問題ってなーに?」

 折角盛り上がった気分に水を差された格好のゆきちゃん。ちょっとほっぺが膨らんでいます。

「――ゆきちゃん、この徒歩の部分の道順、わかりますか?」
「え? 徒歩の部分? セリオが知ってるんじゃないの?」
「――もちろん知っていますが、教えないようにと奥様に言われています」
「ぶうぶう、行き方ちゃんと考えたんだし、ちょっとくらいいいじゃん。ばれっこないって」

 片目をつむってみせるゆきちゃん。でも、相手が悪いですね。お父さんならともかく、セリオはウインクくらいじゃ首を縦に振りません。

「――残念ですが、ダメです。お教えできなくて申し訳なく思うのですが、これもゆきちゃんのためです」
「教えてくれた方がためになるよー」
「――『安易に教えてもらったことは身に付かない』と言います。それに、これまでのデータを見ると、ゆきちゃんは自分が苦労しないと覚えないことが多いです」
「そう堅いこと言わないでさ、いいじゃん。ね?」
「――ダメです」

 取りつく島を与えないセリオ。これで結構頑固なところがあるのです。お母さんに言い含められているから、と言うのもあるみたいですね。

「わかったよー 自分で調べるから、調べ方教えて。セリオお姉ちゃん。そっちはお母さんダメって言ってないんでしょ?」
「――はい。道順を教えてはいけない、と言われましたが、道順の探し方を教えてはいけない、とは言われていません」
「やっぱりだー なんだかお母さんの思うとおりに動いてるみたい」
「――そうでしょうか?」
「うん、間違いないよー」

 お母さん、ゆきちゃんの行動はお見通しのようです。ちょっとため息をつきながら、ゆきちゃんはパソコンの前に座り直しました。

「それで今度はどこ見ればいいのかな?」
「――はい、今度は路線ではなく道順ですから、地図が見れるページを使います」
「ふーん、いろんなのがあるんだねー」
「――このページです。乗換駅の辺りを拡大表示して、道順を調べて下さい」
「うん、わかったー」

 ゆきちゃんは乗換駅のあたりを拡大して、駅と駅の間の道を表示させました。縮尺からして約300m。歩いて5分と言ったところです。

「えっとー こことここだから…… あ、一本道じゃん。これなら迷いようがないよー」

 ゆきちゃん、なーんだ、と言う顔をしています。

「――確かに一本道ですが、知らずに心配しながら行くのと、こうして確認してからいくのでは気分的に大きな差がでます。一本道だとわかって、ホッとしたでしょう?」
「むむむ、確かに」
「――結果として、それがとても単純な道でも、調べておけば安心して出かけることができると言うことです」
「なるほどー うん。よくわかったよ」

 セリオの方を向いてにっこり微笑むゆきちゃん。どうやら納得したみたいです。


 と、そこへお母さんがやってきました。手には湯気の立っているマグカップ。中身はホットミルクのようです。

「どう? 行き方わかった?」

 ゆきちゃんにホットミルクを渡しながら、お母さんが尋ねます。

「うん、ばっちり!」

 カップを受け取りながらにっこり微笑むゆきちゃん。ドンとこいって感じです。

「あら、自信たっぷりね。あ、熱いから気をつけてね」

 ずずー

「あちっ」
「ほら、言ってる端から舌を火傷して」
「ふぅー 熱くておいしー」
「――大丈夫ですか?」
「うん、全然なんともないよー」
「――もしひりひりするようなら、水で冷やした方がいいですよ」
「だいじょうぶだよー」
「ならいいんだけどね」

 そう言って、ゆきちゃんの鼻の頭を指でちょんと押すお母さん。なんだか楽しそうです。

「それで、何時に家を出ればいいかわかった?」
「うん、お家を10時半に出ればお昼前にお父さんのところにつくよ。ね? セリオお姉ちゃん」
「――はい、ゆきちゃんが調べてくれましたから、間違いないと思います」
「うん、それじゃ明日よろしくね。お昼お弁当作っておくから、向こうでお父さんと一緒に食べてね」
「うん。あ、わたしお昼はたまごサンドがいいなー お父さんも大好きだし」
「よーし、それじゃ腕によりをかけて作るから楽しみにしてなさい」
「わーい」

 力こぶを作ってみせるお母さん。両手をあげて喜ぶゆきちゃん。そんな二人をうれしそうにセリオが見ています。


 プルルルルー プルルルルルルー
 行き方も決まり、お弁当の中身も決まったところでリビングの電話が鳴りました。

「あー はいはいはい」

 お母さんが近くに置いてある電話の子機をとります。

「はい。あらお父さん、今ゆきちゃんと明日のお使いのこと話してたとこなの。え? え?? あ、そうなの? うん、うん、うん、あそう。うん、わかった。それじゃ用意しておくわね。うん、気をつけてね」

 ほっぺをポリポリかきかながら、ピッと子機のボタンを押す、お母さん。

「お父さん、どうしたの?」
「お父さんね、急に帰れることになったんだって。それで、夕飯家で食べるから準備しておいてくれって」
「――それは良かったです。では準備を……」
「あ、セリオありがと。あたしも今行くわ」

 立ち上がってキッチンに向かうセリオ。その背中にお母さんが声をかけます。

「よかったぁ、お父さん帰ってこれて」
「うん、よかったんだけど、ね。折角ゆきちゃん調べてくれたの、無駄になっちゃったわね」
「はえ?」
「だってお父さん帰ってくるんだから、着替え持っていく必要ないでしょ?」

 そう、お泊まりで着替えがないからその着替えを届けに行くはずだったのです。帰ってこれると言うことは、着替えを持っていく必要がないと言うこと。

「あー もしかして今まで調べてたのって」
「――徒労、ですね」
「がっくり」

 キッチンから突っこみをいれるセリオ。がっくり肩を落とす、ゆきちゃん。でも、調べ方が少しは身に付いたんじゃないでしょうか?

「はいはい、落ち込まないの。明日のお昼はリクエスト通りたまごサンドにしてあげるから」
「ホント?」
「本当。ね、セリオ」
「――はい、腕によりをかけて作りましょう」

 さっきのお母さんのように力こぶを作る仕草のセリオ。

「やったー たまごサンドだー」

 ゆきちゃん、全身で喜びを表してます。

「今泣いた烏が何とやら、って感じね」
「――そうですね」
「ん? なんか言った?」

 悪口だけはしっかり聞こえるゆきちゃんの耳。

「いーえ、なにも」
「――なにも」

 お母さんもセリオもあらぬ方を見てしらばっくれています。

「あ、そうだ、お父さんの夕飯の準備できたらさ、みんなで駅までお父さん迎えに行こうよ」
「はいはい。それじゃ、急いでお父さんの分作るから、ゆきちゃんも手伝ってね」
「はーい」

 3人和気あいあいとキッチンでご飯の支度。でもさすがに3人も入ると狭いみたいです。


 あっという間に下ごしらえが済んで、後は火にかけるだけになりました。

「うん、後はお父さんが帰ってきてからやればいいわね」
「そうだねー」
「――迎えに行くのなら、そろそろ出た方がいいです」
「あら、もうそんな時間?」

 あっと言う間とは言っても、それなりに時間がかかっていたみたい。

「わ、それじゃ急がなきゃ」
「――そうですね。はい、ゆきちゃん、コートです。奥様のコートもここにあります」

 いつの間にやらセリオがコートを取ってきていました。

「セリオありがとね。外寒そうだもんね」
「セリオお姉ちゃんありがとー」
「――いえ」

 コートをセリオから受け取って羽織るゆきちゃんとお母さん。寒さ対策はばっちりですね。


 お家の前。コート姿の3人。吐く息の白さが外の寒さを教えてくれます。

「うー さむーい」

 コートに手袋のゆきちゃんがじたじたと足踏み。

「さ、早く行かないとお父さん帰って来ちゃうわよ」
「――レッツゴー、です。歩けば暖まりますよ」
「うん。それじゃ、お父さんお迎え隊、しゅっぱーつ!」


 冬の大三角形が南の空にきらきらと瞬く、寒い寒い冬の夜。でも、お父さんを迎えに行くゆきちゃん達の姿は、そんな寒さを吹きとばすくらい暖かく見えました。


fin20001128


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再録にあたって

 拙作「おつかいにいこう!」をご覧頂き、ありがとうございました。
 このお話は、サークル「セ」印良品さんの2000年夏コミ向けの
セリオ小説本「機械仕掛けのPureHeartIII」に寄稿したお話で、
「いつかどこかの町で」の続編になります。
 主宰のHolmes金谷さんから掲載許可を頂いたので、再録しました。

 「いつかどこかの町で」で生まれたばかりだったゆきちゃんが、5年生の時の
お話になります。
 ご意見ご感想がありましたらお聞かせ下さい。

 いつかどこかの町でこんな出来事が起きるその日を楽しみに、
それではまた。

2000.12.30 初出
2001.10.01 再録

 

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