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バードストライク対策のための鳥講座
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ここでは、航空機と鳥類の衝突すなわち「バードストライク」対策のためにflourishが以前ある教育のために作成した資料大幅に改定して紹介します。鳥の心理学を多く組み込んだ資料です。

1 鳥の系統分類
・分岐学
今日、分類学は進化の道筋を反映するように再構成されつつある。このような考え方を分岐学(cladistic)と称する。一般的に、系統が近ければ近いほど、様々な特徴が相互に類似している。
・動物の中における鳥類の位置づけ
分岐学の観点から、鳥は主竜類の中の一群であるとされる。主竜類は鳥類の他、ワニ類及び絶滅した恐竜類を含む。恐竜とされる幾つかの動物が鳥類の直接の祖先である。主竜類及びヘビ・トカゲ類を併せて双弓類に区分する。双弓類、単弓類(哺乳類を含む)及び無弓類(カメ類を含む)を併せた区分が有羊膜類である。
有羊膜類に両生類及び肺魚類・シーラカンス類を含めて肉鰭類が区分される。肉鰭類に一般の魚類を含めて条鰭類が区分され、条鰭類にサメ・エイ類を加えて有顎類が、有顎類にヤツメウナギ、メクラウナギを加えて脊椎動物が区分される。
以上をまとめると、以下のとおりである。
・鳥の中の分類
鳥同士の分岐学的研究はその途上にあるが、古顎類と新顎類に大別される。古顎類はダチョウ、エミュー等の飛べない鳥たちである。キジ、ガン・カモ類とその他の新顎類(neoavacs)が大別される。

2 鳥の感覚・知覚・認知能力
・視覚
鳥類の網膜構造は哺乳類を除く有羊膜類全般のものに共通である。人間を含む哺乳類の網膜は全般的に夜行性に適合して縮退しており、鳥の視覚能力が必ずしも際だっていると言う訳ではない。
盲点はない。黄班は前方へ向いた部分と水平方向全般へ向いた部分の2つを持つ種類が多い。
視野は極めて広く帯状に360度近いが、ワシタカ類は比較的前方に限定される。網膜細胞の密度は哺乳類よりも高いとされる。
多くの種類では網膜に主として錘体細胞が存在して杆体細胞が乏しく、これらの種が所謂トリメであるとされるが、種類によっては杆体細胞を多く有しており、夜間飛行が可能であり、全般的に鳥がトリメであるとするのは誤りである。
錘体細胞の光感受物質が哺乳類よりも1種類多く、錘体細胞内に光フィルター機能が推定される油滴を含み、錘体細胞がペアになって機能している事から、周波数分解能は高い。低い紫外線の周波数領域も知覚可能である。
視野の広い多くの鳥においては、前方視と側方視の情報がそれぞれ異なった神経系統を通っており、情報処理様式が相当異なっていると考えられている。
フリッカー閾値が人間の1/30秒程度よりも大幅に短く、1/60〜1/200秒程度であり、素早い動きを分解して見ているものと推定される。
・聴覚
アマツバメのように超音波が聞こえる種も一部あるが、平均的には高周波数の閾は8kHz程度であり、かなり低い。周波数弁別閾等の各種指標は人間と類似している。圧の閾値は人間よりも5乃至30db程度大きい。
・臭覚・味覚
臭覚及び味覚の影響力は比較的弱いと推定される。餌を視認して丸のみする傾向が強い。
・磁気知覚
ハト等一部の種類には人間にない磁気感覚が存在するとされる。
・認知能力
脳構造が哺乳類と異なるので、知的構造が哺乳類と本質的に異なる可能性がある。種類により相当異なると推定され、カラスが脳容量も大きくて、かなりの知能を持つとされる。
一般に極めて高度の知覚・運動能力を持つが、空間把握能力が高い訳では無い。対象が何であるのかを把握する能力や、対象の客観的な大きさを認識する能力も低い。メンタルローテーションの能力は極めて低いと推定される。概念形成は困難である。ある程度の事象記憶能力はあり、種類によっては優れる。
・言語及び社会的行動
言語と言える程の複雑な概念のやり取りはしていないと考えられる。
統制された社会性は比較的乏しく、渡りの群れ等にリーダーがいるとは考えにくいが、群れの順位や役割分担が存在する種類がある。また仲間の行動を模倣する種もある。

3 鳥の運動等能力
・呼吸能力
恐竜類同様、気嚢と肺による呼吸系統を有しており、息を吐く時も息を吸う時も酸素を得ることができる。よって、概ねどの高度の山岳でも酸素不足に陥る事がない。
飛行高度としては対地高度が重要であり、渡りの際にヒマラヤ山脈を越える事が知られている。通常は、1000ft程度までの高度を良く飛ぶ。速度は通常40キロ程度である。最大速度はハヤブサの急降下であるが、300キロ程度とされる。距離は、毎日の餌場との往復で片道数十kmに及ぶ場合が知られている。渡りの場合は更に大きい。ホバリングは、概ね苦手である。
4 生態
餌場、ねぐら、休み場(砂場等)、繁殖場所が重要であり、これらの場所になり得る所に寄ってくる。
野外での年齢は、スズメのような小形鳥は2、3年程度、カラス程度の大きさで10年程度とされる。

5 有効なバード・ストライク対策
・飛行場周辺対策
餌場、ねぐら、休み場、繁殖場所になるような所を徹底的に除去する事である。
鳥が留まって休めそうな場所に突起を多数つける等して鳥が留まれないようにすることは、極めて効果的であるとされる。
草地を放置すると餌となる草の種やバッタ等が繁茂し、鳥が寄ってくる。逆に草を短く刈り込むと、地虫を狙って多くの鳥が寄ってくる。よって、10数センチ程度に刈り揃える事が効果が大きいとする例が多い。
自然保護の点から実施は比較的困難であるが、定期的に射殺し、釣り下げておく事が有効であるとされる。
ハヤブサやタカ等の猛禽類による駆逐が世界各地で試みられた事があるが、猛禽類自体の死亡率がかなりあり、飼うコストも極めて大きく、衰退した。近年、ボーダーコリー犬種を用いた駆逐が有効とされる場合が多くなっているが、飛行場内に住みつく種のみに有効である。
・飛行経路対策
航空機の耐久性の向上
毎日ねぐらと餌場を往復する種が多く、経路に飛行場がある場合には問題が大きい。渡りの経路は比較的安定している。また、一般に高緯度地方の鳥は大型であり、危険性が増す。

6 効果のない対策
超音波、赤外線はいずれも概ね閾値外であるので効果がない。紫外線はある程度見えるが、単に紫外線を照射しても”明るい光”として見えるだけであり、効果がない。
大音響には比較的速やかに順応する。そもそも音圧及び周波数の可聴範囲が人間よりも相当狭く、聞こえていない領域が多い。
目玉模様には脊椎動物は全て警戒を示すものであり、鳥類も例外ではないが、危険がなければ容易に順応する。危険状態に陥った際の鳴き声であるデストレスコールを録音して流す事も度々行われてきたが、危険がないと分かれば同様に容易に順応し、効果がなくなる。
単純に鉄砲等で追い払うことは、その場限りである程度の効果はあるものの、永続した効果はない。

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