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                   胆のう苦闘記

 もの心付いて以来幸いにして病気らしい病気もなく過ごして来たが65歳の声を聞いて初めて入院、
手術と体験しました。 三月八日に突然胃の激痛発作に始まり急性胆のう炎と診断されて以来、
五月八日に胆のう摘出手術を受け退院するまで入退院を二回含み、この2ヶ月間すっかり胆のうに
翻弄されました。 何もかも初めての経験ばかりで今後の為にも以下に概略を記録して見ました。
(2008年5月10日)

第一幕 急性胆のう炎で入院内科治療
  三月八日(土)午後から胃がむかむかしていたが次第に烈しくなり、夜突然みぞおちに激痛が
走り七転八倒するような状態で夜間救急に駆け込み痛み止め処置して貰う。 翌日日曜日には
発熱があり、三月十日(月曜)に近所のNクリニックを朝一で訪問したところ、胆のうか肝臓の腫れが
あると言う事で採血を行う。 午後には採血の結果が出て急性胆のう炎の疑い濃厚という事で地域の
横浜SK病院の内科S先生を紹介され、その足で夕刻同病院へ直行する。
  病院では到着次第CTによる検査がありそのまま入院となった。 通常はこのCT検査で胆のう炎
の原因となる胆石が発見されれば外科での胆のう摘出となるのが一般的の様だが小生の場合石が
発見されないため、そのまま絶食して栄養剤と抗生剤の点滴治療となった。 この時胃カメラも初めて
体験したがこれでも異常は無い由。 
 四日程絶食点滴が続いたが入院当初には右わき腹の胆のうの位置に腫れと痛みがあったが是も
無くなった。後オモユ、お粥と抗生剤点滴で入院六日目には退院となり、 退院後外来でMRI検査を
受け主治医のS先生との面談で最終的に治癒したかどうかの結論を戴く事になった。 この初めての
入院生活は特に烈しい痛みもなく、自分が病人である事が自覚できないくらいで、却って病院に居る
事で気が滅入る状態だった。 

第二幕 退院後の検査結果及び胃の不調
   退院後は嬉しくて早速動き出したが烈しい運動は外来検査結果迄止められていたのでテニスは
やらなかった。 併し退院一週間後位からどうも時々胃の調子が悪い、別に痛いわけではないが何か
もやもやした感じがする、かと言って食欲が無いわけでもなく食事をするともやもやも消えてしまう。 
その間MRIによる検査の結果も良く、S先生からも一応治っている様で石は無いが、胆泥があるので
今後の再発を防ぐ為に切る手もあると言われたが、胃のもやもやは別物と思い胃の薬だけ貰う。 
 結果論であるがこの時切る選択をしておけば後々の苦しみは無かった筈である。 その後も胃の
不調は続き良くなったり悪くなったりで、最初に胆のう炎と見立てた近所のNクリニックへも相談に
行ったが、胆のう炎再発の様子は無いようだと言う事で別の胃薬を出して貰う。 この状態が一ヶ月若
続くが日常生活には何等問題もなく運動も普通に行っていた。

第三幕 激痛再発再入院
   4月24日は午後から胃がもやもやしていたが夜になり激痛に変わり、如何ともし難くSK病院夜間
救患に駆け込む。 痛み止め注射をしてもらったが少し和らく程度で余り効かない。 このまま入院
できないか聞いたが、翌日内科検診を受ける様にとの事でその日は帰宅する。 早速4月25日(金)
朝一番に内科検診を受ける。 前のカルテがあるためS先生のチームのN先生の診断で、典型的な
胆のう炎再発で切るしか無い旨つげられる。 もうこの時点では小生も早く切って貰いたい気持ちで
即手術をお願いしたが、4月28日(月)外科のW先生と手術の日取りを打合せる様にとの事で、
その日は再度胃カメラ、エコー、血液検査を行って帰宅した。 
   又病院が休みの土日にかかるので不安を感じていたが、その夜も七転八倒と言う程でもないが
段々痛みがわき腹の胆のう付近に移って行く。 翌朝病院は休みだが午前中に救患センターに電話
して月曜迄待てないので入院できないか打診したところ、N先生と連絡を取って呉れ午後には入院できた。 
  この頃にはかなり悪化していたのかその夜これ迄経験した事の無い様な激痛を感じる。 痛み止めの
座薬も使い、それも直ぐには効かず更に痛み止め注射を打ったが同時に座薬が効いて来たのか漸く
激痛は治まった。 その時何か幻覚を聞き「春の小川」の曲が速いテンポで繰返し演奏される中でうとうと
とした。 この様な激痛は二度と無かったが、それから手術迄の間随分と痛み止め座薬のお世話になった。 
  月曜日午前中W先生との打ち合わせで手術は休日や手術待ちの順番で早くて四日後の五月二日と
言われ、これからの四日間が辛いなと絶望的になったがW先生が内科チームに電話され、応急処置と
して腫れた胆のうに溜まった膿みを注射器のようなもので吸い出すという処置を内科でやって戴いた。 
 その晩は注射針の疵の痛みは強かったが座薬で和らぎ、翌日以降はかなり楽になり手術日を待つ
事ができた。

第四幕 胆のう摘出手術
   幸いに手術は一日早まり五月一日となった。 手術前の準備として下剤と浣腸で腸を空にし、
着替え(手術着、T字帯)、更に鼻から胃に管を通す。 この管で手術中に胃に溜まる液を吸い出す由。
これは思うほど大変でなくすんなり入り頬にテープで管を止めといかにも手術スタイルになる。 
車椅子で手術室に行き、玄関で手術ベッドに乗り換える。更に長い廊下を行き、次は麻酔処理がなされる。
背中に先ず麻酔針を入れるための麻酔注射を打たれ、そのあと何かゴリゴリ背中に押し込まれる感じがした。 
横向きになっているので時計が見え、今午後1時52分だなと見ていた。 その後は終りましたよ、と麻酔の
先生の声で気がつく。 全身麻酔とは次第にボーツとなるものと思って居たが一瞬に気を失うようだ。 

   手術後は直接病室には戻らずリカバリ室という所で一晩過ごす。 痛みは全く感じないが夢うつつで
ある。 時間不明だがW先生が来られ、炎症が酷く癒着を起こしており開腹手術に切り替えるか微妙な
ところだったが、通常一時間半のところ一時間延長して内視鏡手術でやり通した旨告げられた。 
ありがとう御座いました、と言ったが又夢うつつに戻る。 翌朝、全身麻酔後に取り付けられたらしい尿管を
抜いた後、看護師さん付き添いで歩いて自室に戻る。 手術翌日の昼食にはオモユの食事が出、夕食
以後お粥の食事となる。  
通常胆のう摘出は手術後五日位で退院となるようだが、小生の場合各所に炎症が飛び火していた為1-2日
回復が遅れた様である。 五月七日採血検査の結果OKとなり八日退院となった。 
 
最後に
  今回病院生活を初めて経験したが印象に残った事は、医師の先生達は非常にタフであり、この先生は
一体何時休むのだろうと思う位である。 しかし患者に取って見れば主治医の回診が毎朝ある事は本当に
心強い。 又看護師さん達はシフトで働いており、大変な仕事と思うが非常にモラルが高く皆親切だった。 
本当にありがとう御座いましたと言いたい。 又同室のMさんやHさん、小生よりもっと大変な手術にも拘らず、
いろいろ励まして戴きありがとう御座いました。


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