「お、やっぱりあんた達かあ。さっきは世話になったのお」
唐突に お店の奥からそんな声が聞こえてきました
「あら、やっぱり」
そんな声も 聞こえてきます
この声は……
確か 昼間のおじいさんとおばあさん
驚いてお店の奥 声のした方を見ます
マスターも びっくりした様子です
お店の奥の方から 出てきたのは
あのおじいさんと 赤ちゃんを抱いたおばあさん
もしかして……
頭に浮かんだ疑問を おじいさんに問いかけます
もしかして生まれたお孫さんってこの子ですか? と
「おお、そうじゃとも。かわいいだろう?」
おじいさん 眼を細めて赤ちゃんの方を見ます
抱っこしてるおばあさんも やさしいいい顔です
「いやー、それにしてもまたあんた達に会えるとはなあ」
「ほんと、お導きって言うのはあるんですねえ」
おじいさんとおばあさんが 口々にそう言いました
わたしもマスターも びっくりです
またお会いできるといいな と思っていましたが
こんなすぐに 本当に会えるなんて……
赤ちゃんをあやす おじいさんとおばあさん
のぞき込む マスター
あ もしかしたら こう言うのも「続編」って言うのでしょうか?
秋も深まったある日
花に誘われて出かけた先で
思いがけない風景にであうことが できました
fin20010511